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Note No.6

小説置場

長編

こちら幸せ堂! [現代] [友情] [男女幼馴染]少しずつほどけていったつながりを、もう一度結び直す。やさしいつながりはきっとまだ有効でしょう? Crossing Game [異世界] [アクション] [吸血鬼]一人で生きたい二人同士。邪魔するものは蹴散らして、何一つ囚…

短編

ヒナコさんといっしょ。 ひこうきぐものゆくえ ワールドワールド オリオンの使者 さよなら、マイヒーロー Dream a night! Hello, my world! 祈り方なんて疾うに忘れてしまいました 白い華+火葬前夜祭 ひかり、ちる Freely and actively ひかりふる 虧蝕の華…

いつか、ふたたびの春に。

Scene 1――十六歳 (願わくは、花の下にて) 神社の石段をゆっくり下っている。急な角度であることに加え、日は沈み、辺りはすっかり暗闇に染まっているのだから、駆け下りていくなど確かにもっての外だろう。申し訳程度に外灯は設置されているが、足元は暗い…

透き通る

呼吸をすると、肺が空気で満たされていく。辺りを漂う光の粒子を取り込んで、少しずつ体の中に留まっていくみたいだ。きらきら、きらきら。息をするたび、僕の体の底が光を持ち始める。 君はきっと不思議そうな顔をするけど、僕にとっては至極当たり前のこと…

ミルクティーとコーヒー

「僕らはどうして出会ったんだろうね?」 首をかしげてお前はつぶやいた。色素の薄い髪がさらり、と頬にかかった。 こんな風に、と俺と自分を指すとはにかんで笑う。俺も曖昧な笑みを返した。お前はその顔を維持したままで目の前のカップに口をつける。「君…

endless sleeping

前から思ってたことがあるんだけど、と藤倉がやたら真剣な顔をして言うので、皆野は襟を正すような気分で見返した。演劇部のミーティングとして図書室に集まり、先輩からのお話を拝聴している真っ最中だ。一体、どんな重大な発言が飛び出るのか、とそれを待…

暗闇に生まれた

「明日は光で希望だなんて、どうして思えるのかしら」 ぽとり、と落とされた言葉がじわじわと広がっていく。蝶子は息を殺して、目の前にいるであろう人間の気配を探る。 衣擦れの音がして、同時に甘い匂いがふわり、と舞った。匂い袋でも持っているのか、そ…

重力なんて吹っ切れると思ってた

何だって出来るような気がしちゃったんだよね、と道村が言った。横顔は、川面や橋の手すりを染めているのと同じ、夕焼け色だ。朱色よりもピンクがかっていて、何だか照れているようにも見える。俺はそれに気づかなかったふりをして、手すりの赤錆を見ながら…

それでも飛ぼうとしてるんだ

目の前の椅子に座った途端、ネクタイをゆるめながら入江が前に倒れ伏した。野瀬は自分の食事がのったトレーをさっさと避難させる。それから、何事もなかったかのようにランチのAセットへ箸を伸ばす。メインディッシュの焼肉をしっかり味わわなければ。「……野…

まずは納得させてください

死にたい、だなんて君が言うから僕は必死で懇願した。「駄目。止めて。死なないでもうほんっとお願いします」 手のひらを打ち、拝んだ。君はそっと唇を開くとどうして? と尋ねる。僕は姿勢をそのままにして、ちらりと君を見る。肩にかかりそうな髪は校則通…

虧蝕の華

真っ赤な華が咲くようだった。 きゃらきゃらと高い声で笑っているのはイチルだ。目の前の紐を引っ張ると、重い落下音が響く。発信源にしゃがみこんでいたニカは耳を澄ましているけど、思い通りの情報は手に入らなかったらしい。心底残念そうに言葉を吐いた。…

ひかりふる

(君に伸ばした手が) 空が暗い。森の木々に阻まれて、空は欠片しか見えない。星の一つも探せなかった。一体今何時なんだろう。夜明けまでどれくらいかかるだろう。 腹部に置いていた左手を、目の高さまで持ち上げる。ハッキリとは見えないが、小刻みに震え…

ワールドワールド

だからね、地球っていうのは地殻・マントル・核の3部分から成り立ってるわけ。え、信じられない? しかたないなぁ。じゃあ、ほらコレ見てみなさい。『広辞苑』の地球の所。これなら信じるでしょ。うん、そう。潔く認めなさい。俺はスゴイと。 あ、ごめん、…

星を詠むひと

さあ、両手を広げて僕を抱きしめてよ。 こんにちは。それともおはようかな、こんばんはかな。もしかして、おやすみなさいだったりする? 眠る前ならごめんだけど、少し僕の話を聞いてほしい。夢の世界に入るまでの寝物語で構わないからさ、僕の話を少しのあ…

Sternenlicht

壁にもたれて、空を見上げた。高層ビルに切り取られた夜空は、薄らと星が出ているようだ。はっきりとは見えないけれど、今日の天気は晴れだったはずだから一等星くらいは見えるだろうか。 ぼんやりそんなことを考えながら、すっかりぬるくなったコーヒーを飲…

エトラテ・ヘリイ・ スロウシュ Etlat Heliy Srowsh

「静謐の瑠璃」「青色預言者」「漠し覚醒者」 年齢 14歳 性別 男性 体格 141cm 36kg 一人称 僕 所属 ラーレイアの子供 生年月日 春の明るい朝 外見 樺茶色(赤みの茶色)の髪、瑠璃色(紫みの青)の瞳。指通りの良い髪で、艶もある。全体的な造作が丸い。外に…

ヴィリジア・マカライ・ クレディム Viridia Macurai Chledim

「新緑の息吹」「緑の戦人」「瑞し守衛者」 年齢 14歳 性別 男性 体格 169cm 55kg 一人称 俺 所属 ラーレイアの子供 生年月日 春の明るい朝 外見 若草色(冴えた黄緑)の髪、灰色の瞳。髪質はしっとりしていて細い。全体的に少し長め。切れ長の目に、すっと…

ロサ・ジスール・ フェレトライト Rosa Jisll Feletlight

「炎の産声」「赤き原罪」「明し感知者」 年齢 14歳 性別 男性 体格 160cm 47kg 一人称 俺 所属 ラーレイアの子供 生年月日 春の明るい朝 外見 緋色(やや黄味を帯びた赤)の髪、茜色(暗い赤)の瞳。髪の毛はごわごわした、綿のような感触。前髪はわずかに…

長久保亜伊(ながくぼ・あい)

「腹いっぱいまで、たんと食え!」「ホームメーカー」 年齢 18歳 性別 男性 体格 176cm 66kg 一人称 俺 所属 立叢高校3年6組 代議員 生年月日 9月20日生まれ 乙女座 前世 愛之助(あいのすけ) 外見 やや茶髪(天然)をスポーツ刈り。強面、目つきが悪い。少…

照島悟一(てるしま・ごいち)

「どんな時も、目をそらさないでいる」「ディープゲイザー」 年齢 16歳 性別 男性 体格 168cm 60kg 一人称 俺 所属 堂橋高校1年8組 選挙管理委員会 生年月日 7月2日生まれ 蟹座 前世 悟(さとる) 外見 黒髪。眉が隠れるくらいの前髪(横分け)、耳にかかる…

根尾大貴(ねお・だいき)

「怖くても、竦んでも、諦めませんから」「リトルブレイバー」 年齢 15歳 性別 男性 体格 159cm 52kg 一人称 おれ 所属 日竹中学3年4組 教科係(家庭科) 不登校気味 生年月日 3月12日生まれ 魚座 前世 大治(だいじ) 外見 黒髪、短髪。もみあげは耳にかか…

渡会史哉(わたらい・ふみや)

「いつだって、頑張るよ」「サニーテイカー」 年齢 19歳 性別 男性 体格 170cm 59kg 一人称 僕 所属 由岐城学園大学 文学部 国文学科 一年生 写真サークル 生年月日 5月30日生まれ 双子座 前世 史(ふみ) 外見 やや茶色がかった猫っ毛、肩につくくらいの長…

田崎栄介(たざき・えいすけ)

「幸せであるように、ここで祈るよ」「バックステイアー」 年齢 22歳 性別 男性 体格 174cm 61kg 一人称 俺 所属 瀧崎大学 国際文化学部 国際文化学科 四年生 生年月日 4月16日生まれ 牡羊座 前世 榮信(えいしん) 外見 黒髪、やや長め。(もみあげと襟足が…

湯島秀人(ゆしま・ひでひと)

「最高の明日はどこだ!」「ハッピージャンキー」 年齢 17歳 性別 男性 体格 167cm 63kg 一人称 オレ 所属 樫賀高校2年1組 生年月日 11月6日生まれ 蠍座 前世 日出(ひで) 外見 金髪(もはや黄色)。肩より少し長い髪をワックスで外に跳ねさせている。わり…

毎原千歳(まいばら・ちとせ)

「笑顔の種に水をやる」「ハッピートリガー」 年齢 17歳 性別 男性 体格 167㎝、62kg 一人称 俺 所属 直山西高校2年5組 生活委員 バスケ部 生年月日 1月24日生まれ 水瓶座 前世 千(せん) 外見 黒髪、短髪(前髪は眉より上、もみあげは耳にかからないくらい…

地理・地名

ロフィラート神国 四つの島から成り立つ、古豪の国。歴史はあるが、あまり表舞台には登場しない。血の盟約を基にした神を戴く一神教。四つの島は非常に近接しており、橋による陸路が一般的。船を使った海路も存在するが、潮の関係上あまり航路として適しては…

最高峰記章

大陸で最高位に位置する頭脳の持ち主である、という印。大陸学術振興連盟に所属している国で一斉に行われる試験に合格すると、証明書と共に記章が授与される。 風土学: 銀月記章(ぎんげつきしょう)数学: 青華記章(せいかきしょう)言語学: ハレルニア…

夏の声 03

「僕も行きたかったよー!」 ミスドの前で落ち合った成島は、一通りの話を聞いた後そう言った。僕も遠山の家に行ってみたかった、ねえメノウ様? と相変わらず胸元からのぞくメノウ様に語りかけている。心底残念そうな顔をしているので、「またその内機会が…

夏の声 02

一通り話を聞いた俺が下した結論は二つ。一つ、スイカをもらうことには異論がないっていうかむしろ大歓迎だということ。(親にも聞いた)二つ、とはいっても量的に俺だけじゃ無理。「というわけで、成島と遠山も呼ぼう」 ドーナツを食べ終えてそう言うと、仁…

夏の声 01

終業式の後のあれこれのおかげで、しばらくは外出禁止だったし携帯も使っちゃ駄目で、それがようやく解禁されたから、久しぶりに外へ出た。本当に全然表に出られなかったのはつらい。天気が良いのが余計に嫌だった。夏休みなのに閉じ込められるって精神衛生…

第七章 03【完】

俺は考えようとする。変で間違ってる気がする。絶対に何かがおかしい。歯車が噛みあわないような、有りえない話が起きているみたいな気がする。 だっておかしい。普通のことじゃない。たとえば、ある日突然虹色の雨が降るとか、朝と夜がいっぺんに来たとか、…

第七章 02

ごもっとも。とっくに祭りも終わってる時間帯、普通ならお囃子が出歩くはずがないのだ。だったらあれは何だったんだって話だけど、たぶん考えたらいけないんだ、と結論を下した。三人も同じ結論になったらしく、それぞれの顔を見ると神妙な顔で唇を結んでい…

第七章 01

虫が鳴き始めた。何事もなかったみたいに、まばたきした間に全てが切り替わったんじゃないかというくらい、自然に虫が鳴いていた。木はぎしぎし揺れることもあるけど、どっちかっていうと俺たちの重みのせいらしい。風も吹くけど生ぬるいし、耳を澄ますとど…

第六章 04

あっという小さな声が聞こえたかと思うと、ぴんく色をしたものが転々と葉っぱや枝にぶつかりながら落ちていった。一瞬考えてから上を見ると、暗くてはっきりしないけど、成島が固まっている。重苦しい沈黙が流れる。最初に声を発したのは成島だった。「……メ…

第六章 03

「……神輿って帰る時、すげえあおるんだよな。周りの人もわあわあ声出して、騒げば騒ぐほどいいんだって、腹の底から声出すよ。だから、近くにいると耳鳴りみたいになんの」 目眩がするほどの音の洪水だ。頭が割れるような、圧倒されるほどの楽器、人の声、音…

第六章 02

「俺だったら絶対、無駄に悪あがきする自信ある。いないみたいな、必要じゃないって思われるの、俺マジで駄目だもん」 だから、馬鹿みたいでも俺を見てくれって頑張っちゃうよ。なるべく軽くそう言ったら、ふわふわした笑い声が返ってきた。それは遠山からじ…

第六章 01

一番に東門にタッチしたのは俺で、そのすぐ後に仁羽が到着した。続いて成島がゴール! と飛び込んできたのを肩で息をしつつ見ていたら、当初の目的を思い出した。「……殴る?」「……もう、どうでもいい」 言ってみたら、呆れたような顔で仁羽が言う。不機嫌そ…

第五章 04

「あとちょっとだよ!」 手を叩いて、成島が満面の笑みでそう言う。遠山も何だか楽しげに、「無事に下りられたみたいだね……」なんて言うから、俺も「おう!」とうなずき返す。「ちゃんと木登り出来たねっ! ……この場合は木下りっていうのかな?」 真顔で考え…

第五章 03

眩暈だと思った。だけどすぐに、風の所為だと悟って慌てて枝をつかみ直そうとしたけど上手く行かない。持っていたはずの枝が指から離れて体が前に傾ぐ。ちゃんと踏ん張れなくて、膝から力が抜けた。 落ちる、と思った。本能的にぎゅっと目を閉じる。 だけど…

第五章 02

乾いた唇を開く。拳を握りしめて、奮い立たせて言葉にする。後には引けないとわかっているはずなのに、熱に浮かされるように言葉が浮かぶ。だって、許してくれないなら、一緒に行こうって言ってくれるなら、どれだけ怖くたって嫌だって。そう言ってくれるな…

第五章 01

努力はしてみた。一階の窓からでもいいじゃん(サイズ的に無理だと却下)、もういっそ学校で一晩明かそう(仁羽に呪い殺されそうだった)とか訴えてみたのに。結局お前らがやりたいだけなんじゃないのか、と思ってしまうくらい容赦がなかった。「だ、だって…

第四章 03

「……な? 俺ちゃんと知ってるだろ」 胸を張って笑った。俺には当たり前のことだけど、当たり前のことをちゃんと出来た。誰かに自慢したい気分だった。ちゃんと名前を呼べた。いろんな人の名前を、いつだって呼んでいるけど、今はきちんと声になった。「三人…

第四章 02

「いやいや、遠山怪我人、怪我人は安静にするべき。オッケー? 何なら誰か残してくし」 まさか一人が嫌ってことはないだろうけど、とりあえずそう言ってみた。遠山はしれっと答える。「別に誰が残ってもいいけど……俺は行くから……まあ、待ってれば……?」「あ…

第四章 01

輪になって座りこみ、成島が大量に買っていたお菓子を開ける。買出しの時昼には多すぎる量を買い込む成島を、仁羽はそんなに食わねーだろ、と馬鹿にしてたけどこんな所で役に立つとは。しみじみと感謝しながらお菓子に手を伸ばすと、成島は朗らかに言った。…

第三章 03

「遠山って妹いるんだね! いくつ?」 明るく質問をするのは成島で、そこには完全なる好奇心しか存在しなかった。遠山も無視はせず、「小一?」と答える。「わあ、それくらいなら可愛いねぇ。ちっちゃいもんねぇ」 楽しそうに歓声をあげて、成島は言う。仁羽…

第三章 02

月の光が仁羽を照らす。美術室では中々不吉な気もしたけど、こうやってちゃんと生きてる人間なら、やっぱり月の光はきれいだなって思う。それから、そういう会話をしたことだって思い出す。ほんのついさっき、くだらない話を、四人でしてた。他の誰でもなく…

第三章 01

図書室の真下、廊下の一番奥にある美術室には、当然鍵がかかっていた。どうするのかと思ったら、成島は美術準備室の下にある小さい窓から中へ入り、鍵を開けてくれる。 準備室に入ると、真正面に大きな窓があった。手前にカンバスでもあるのか、白い布がかか…

第二章 03

えへ、と成島が笑った。だってずっと聞こえてるから、と続けて言って、まっすぐ前を指した。指の先を追って、俺と仁羽は(仁羽は拳をおろして)振り向く。遠山はぼんやりしているみたいだけど、視線は動いている。成島が指しているのは、階段の踊り場にある…

第二章 02

「……あのー……トイレ行ってもいい?」「我慢しろ」 真っ先に仁羽に却下された。ものすごい即答の上冷たかった。仁羽は行きたくないのか、と聞いても「……別に」と不機嫌そうに答えられるだけだった。生理現象なんだから仕方ないし我慢はよくない。そうだ、その…

第二章 01

廊下は、ほの暗い世界へつながっていた。窓からぼんやり光がさしこんではいるものの、一番奥はよく見えない。風の音もお囃子も虫の声も遠くて、静寂が横たわる。 進む気が起きなくて黙って突っ立っていたけど、それじゃらちがあかないから、静かに押し付け合…