Note No.6

小説置場

「遠い日のうた」

長久保亜伊(ながくぼ・あい)

「腹いっぱいまで、たんと食え!」「ホームメーカー」 年齢 18歳 性別 男性 体格 176cm 66kg 一人称 俺 所属 立叢高校3年6組 代議員 生年月日 9月20日生まれ 乙女座 前世 愛之助(あいのすけ) 外見 やや茶髪(天然)をスポーツ刈り。強面、目つきが悪い。少…

照島悟一(てるしま・ごいち)

「どんな時も、目をそらさないでいる」「ディープゲイザー」 年齢 16歳 性別 男性 体格 168cm 60kg 一人称 俺 所属 堂橋高校1年8組 選挙管理委員会 生年月日 7月2日生まれ 蟹座 前世 悟(さとる) 外見 黒髪。眉が隠れるくらいの前髪(横分け)、耳にかかる…

根尾大貴(ねお・だいき)

「怖くても、竦んでも、諦めませんから」「リトルブレイバー」 年齢 15歳 性別 男性 体格 159cm 52kg 一人称 おれ 所属 日竹中学3年4組 教科係(家庭科) 不登校気味 生年月日 3月12日生まれ 魚座 前世 大治(だいじ) 外見 黒髪、短髪。もみあげは耳にかか…

渡会史哉(わたらい・ふみや)

「いつだって、頑張るよ」「サニーテイカー」 年齢 19歳 性別 男性 体格 170cm 59kg 一人称 僕 所属 由岐城学園大学 文学部 国文学科 一年生 写真サークル 生年月日 5月30日生まれ 双子座 前世 史(ふみ) 外見 やや茶色がかった猫っ毛、肩につくくらいの長…

田崎栄介(たざき・えいすけ)

「幸せであるように、ここで祈るよ」「バックステイアー」 年齢 22歳 性別 男性 体格 174cm 61kg 一人称 俺 所属 瀧崎大学 国際文化学部 国際文化学科 四年生 生年月日 4月16日生まれ 牡羊座 前世 榮信(えいしん) 外見 黒髪、やや長め。(もみあげと襟足が…

湯島秀人(ゆしま・ひでひと)

「最高の明日はどこだ!」「ハッピージャンキー」 年齢 17歳 性別 男性 体格 167cm 63kg 一人称 オレ 所属 樫賀高校2年1組 生年月日 11月6日生まれ 蠍座 前世 日出(ひで) 外見 金髪(もはや黄色)。肩より少し長い髪をワックスで外に跳ねさせている。わり…

毎原千歳(まいばら・ちとせ)

「笑顔の種に水をやる」「ハッピートリガー」 年齢 17歳 性別 男性 体格 167㎝、62kg 一人称 俺 所属 直山西高校2年5組 生活委員 バスケ部 生年月日 1月24日生まれ 水瓶座 前世 千(せん) 外見 黒髪、短髪(前髪は眉より上、もみあげは耳にかからないくらい…

参考文献

名主文書にみる江戸時代の農村の暮らし成松佐恵子/雄山閣/2004/ISBN 4639018614 不思議の村の子どもたち : 江戸時代の間引きや捨子と社会樋口政則/名著出版/1995/ISBN 4626015077 怪異の民俗学 7 異人・生贄柳田國男 ほか著/河出書房新社/2001/ISBN 43096139…

Trivial talk

「オレたち、きっとずっと前に会ってたんじゃね?」 真剣な顔で紡がれた言葉を、千歳はただぽかんとして眺めていた。無理もない。秀人が何やら眉間にしわを寄せて、真剣に考え込んでいたかと思うと告げられたのがそんな言葉だったのだ。今までの会話とは、ま…

冬日夜話

ぐるぐるに巻いたマフラーに埋もれるような格好で、大貴は境内を歩いていた。辺りは溢れるような人だかりで、目的の人物を探すことは中々に難しい。それでも諦めて帰ってしまうわけには行かなかったし、どこにいるか検討がつかないわけでもなかった。大貴は…

美しい罪

きっとこの温もりを忘れられないことが、 生まれた時から言い聞かされてきたことだったから、何の疑いもなく受け入れていた。村の人たちが畑を耕すことに何の疑問も抱かないように、商人が算盤を弾くことを不思議がらないように。私にとってそれは至極当然な…

諸刃

この人の強さは、同じくらいに脆い。 ぎゅ、ぎゅ、と包帯を巻いている。あんまり上手く出来なくて曲がってしまったけど、何も言わないでしたいようにさせてくれている。ぐるぐる、白い包帯だけを見つめながら、頭の中には色んな言葉が渦巻いていた。「…大貴…

見知らぬ視線

前置きはしていた。自分でも何を言いたいのか、はっきりとわかっていたわけではなかったから、支離滅裂になるんじゃないかと思っていた。自分なりに理論的に話すつもりではあったけれど、結局の所何が言いたいのかわからない、という点は揺るぎない。だから…

腹が減ったとわめくから、適当に何かを出してやることにした。別に苦労じゃないし、大体冷蔵庫には食材が入っているし、マトモな食材は全部俺のバイト代から出ているんだから問題はないだろう。 それに、ちょっとしたお題でも出されているような気分でわりと…

まどろみのあわい

ぱちり、とスイッチが切り替わったような感覚はいつもの通りだった。急速に思考の世界から引き戻されて、周囲に積まれた本の山と、斜めに差し込む日の光に気づいて我に返った。「うわあ、千歳くんゴメン!」 部屋の整理のために、二人で分担して本を片付けて…

赤が散る

君はきっと目を凝らしてしまうから。 「…栄介さん?」 一瞬戸惑った空気を流したものの、すぐに口を開いた。慌てる素振りもなく、いたっていつも通りのような、不思議なことなどまるでないみたいな口調。だけどそれは、平静を装っているだけだと知っていた。…

夢違え

きみをころすゆめをみた、 隣で寝ていた体が、飛び上がるようにして跳ね起きた。ここからでも、息が荒いってことくらいわかる。全力で走った後みたいに、肩が上下に激しく動いている。 時々こんな風になることに気づいたのはいつからなんだろう。最初は何か…

繰り言

時々、こわくてたまらなくなるよ。 朝起きてから眠るまでの間に、一体何度疑問を覚えるんだろう。たとえば、クラスメイトの何でもない話を聞いた時だとか、教授の雑談を耳にした時。欲しかったCDが手に入った時や、ずっと読みたかった本の表紙をめくる時。そ…

抱く

繋ぎ止めておきたいと、願ってやまない。 机の上に山と積まれたモノを眺めながら、さてどうしようか、と首をひねる。たぶんこの辺りに放っておいてあるんだけど、さて一体どうしたものか? 腕を組んで考え込んでいたら、後から部屋に入ってきた面々が口を開…

深海魚の独白

まるで沈没船に取り残されるようだ。 「だって、どうしようもないよ」 困ったように笑っていた。それは笑顔の形をしているけれど、楽しいから浮かべているんじゃないってことくらいわかる。千歳はもう一度小さくつぶやく。口の中で言葉を転がすようにして「…

100億光年の慟哭

一体何度この言葉を吐き続けてきたかなんて、もう覚えちゃいないんだ。 部屋のカーテンをしゃっと開く。窓を開ければ生温い夜風が入ってきて、俺は大きく息を吸った。湿ったような夜のにおい。明日は雨が降るかもしれない。夜を全部溶かして、何もかも真っ黒…

この瞬間を、待っていた

「俺だけかと思ってた」と言って、照れるように笑った君が、本当は泣きそうだったって、知っている。 お客さんが来たことを告げる鈴の音。視線を向けると愛之助がいて、自然な笑みが浮かんだ。「いらっしゃいませ」と言いながら、机を拭いていた手を休めて入…

Setup

どういうわけか、隣のコンビニでバイトしている秀人と最近よく顔を合わせている気がする、と亜伊は思った。元々シフトがかぶりがちだったので、顔見知りではあった。さらに人懐っこく話しかけてくるタイプだったし、それに付き合っていたら、いつの間にか休…

先触れ

この場所をバイト先に選んだのは、時給とか勤務時間とかそういうこともあったのだけれど、一番は立地条件だったのかもしれない。駅前にある建物で、しかも二階なので駅から出てくる人間を観察するには持って来いだったのだ。 だからと言って具体的にどうしよ…

稲穂の海

(どこにいるの) 空が高い。金の稲穂が揺れている。ざあざあ、耳の奥で鳴るのは風と、それにあおられた稲穂がこすれる音。しゃがみこんでいるから、きっと誰にも見えない。むっとするような匂いが辺りを満たしている。温められた植物の匂いはむせ返るよう。…

ともしび

校則なんて、あってないようなものだった。恐らくいろいろと、してはいけないことだとか守るべきことはあったのだろうけれど、この学校に入った時点で大体のことは許されていると理解してよかったのだ。喫煙飲酒なんて当たり前、警察の世話にならないように…

温む記憶

そんな顔をさせたかったわけじゃない。恨まれるだとか、怒られるだとか、そういうのなら良かったのに、そういうのなら、いくらだって耐えられたのに。「…ま、負けちゃ、たよ…」 そういえばほとんど勝ったことなんてなかったや、と思った。不意をついたら出来…

Say, Hello!

学校からの帰り道、とぼとぼと駅へ向かって歩く。入学式も終えて、晴れて直山西高校の生徒になったわけだけれども、クラスはまだぎこちない。そりゃ、初対面がほとんどの状態でまだ二日しか経っていないんだから仕方ないんだろうけれども。どうも俺はこうい…

臥待月

不思議な人だった。昼日中の明るい内にやって来る行商人とは違って、その人が訪れるのは決まって夜が更けてからだ。その人の姿をちゃんと見たことはあんまりないのだけれど(何せとっくに寝ている時間だから)、一度だけ見たことがある。隣村のお祭りに行っ…

春や昔の春ならむ

月やあらぬ春や昔の春ならむ わが身ひとつはもとの身にして 学校帰りにある寺から見える桜の花が開いた。一つ一つは小さいのに、集まるとこんもりとしていて「綿毛みたいだ」と言った人の声を思い出す。遠くから見ると薄紅色の桜は確かな質量があって、花だ…

またこのごろや忍ばれん

放課後の教室というのは案外課題がはかどるものである。その日に出された課題と明日の時間割をチェックして、必要なものから片付けていく。明日はリーダーと古文があるから、本文を書き写すのと単語のチェックだけしておけば、後は家に帰って訳せばいいのだ…

マエヘススメ

前にしか進めない、とはよく言われる。ていうか前しか見えないんだもん。 ガードレールに腰かけて、携帯をいじる。メール画面を出してちまちま文章を打っていくと、寒くて動きにくかった指先があったまっていく。ような気がする。あくまで気がするだけで、実…

とおくからきこえる

がたんがたん、と揺れる電車の中で千歳は夢を見ていた。瞼の裏で描かれるのは、狂おしく慕わしい記憶の欠片だ。 春のある日、日出の提案で花見に行った。ふわふわの綿毛のような桜を見て、愛之助が作った料理を食べて、伴内先生のお酒をちょっと飲んでひっく…

夏来り

降ってくる蝉の声を聞きながら、千歳はじっとりと熱気を発するアスファルトの上を歩く。頭上から照りつける太陽に、照り返しのアスファルトという二重攻撃は本気で耐えがたかった。手に持ったビニール袋に入っているアイスを今ここで食べても俺は文句を言わ…

色深し

地元の図書館で必要な資料を持って、自習席へ行った。本を広げて、いざ読み始めようとしたらかたりと前方の席に人が座った。何の気なしに顔をあげた史哉は、思わず口を開けて目の前の人物を見つめてしまう。 「あれ、史哉も来てたんだ」 驚いたような栄介は…

水温む

試験勉強をするために友人と連れ立って家へ帰ってきた。その帰り道で、幼馴染である亜伊を見かけた。駅から帰る道すがらにある公園で、缶コーヒーを飲みながら話し込んでいるのである。 その様子を最初に見つけた乃里子はどう反応していいかわからず、妙な顔…

たとえばこんな、未来挿話

「ってわけで、あの二人帰って来るらしいです」 悟一は携帯電話を耳と肩に挟んで、机の周りの紙をひっくり返した。予定を記した手帳を見つけ出すと、中を開いてスケジュールを確認する。幸い悟一は大学生なので、バイトの予定さえ合えば時間は出来る。授業は…

虧月

(殺したくない) 誰かの悲鳴が耳に聞こえた気がして、大貴は目を覚ましてしまった。見慣れた天井が目に入り、布団の中で大貴はふっと息を吐く。それは安堵のためではなく、またか、という自分に対する呆れが滲むものだった。 いつの頃からかは覚えていない…

盈月

(殺さないで) 自分の悲鳴で目が覚めた。大治は見開いた目で天井を見つめ、それが見慣れた粗末な藁葺きではないことを悟り、呼吸を落ち着かせる。闇に慣れた目が写すのはしっかりとした木造の屋根で、そろそろと視線を動かせば小さな文机や、積まれた書物が…

月に遠吠え

お使いを頼まれて家を出た時、日は暮れかかっていた。史哉は封筒を手にしたままのんびりと道を歩きつつ、空を仰ぐ。夕暮れが過ぎ去って、オレンジ色から暗い青へと移り変わる空には大きな月が出ていた。玄関を出た時には白かった月も、今ではほんのりと明か…

プレリュード

本屋で参考書を物色していたら声をかけられて、悟一は顔をあげた。目の前にいるのは去年までのクラスメイトで、特別仲が良かったわけでもなかったが、わりと話をする方ではあった。「よ、照島。久しぶり!」 快活な笑顔に思い出す顔がいくつかあって、そうい…

問わず語り

俺はこれから突拍子もない話をするけれど、聞いてくれますか。 遠い昔の話です。ここがまだ町ではなく村だった、そんな頃の話です。今は駅がある辺りには小さな山があったんですけど、切り崩して駅になりました。日竹村はその山と、二つの川に挟まれていまし…

As time goes by

家に帰ると見慣れない靴があって、はて? と思ったら兄が来ていた。兄とは言っても、その差17歳。栄介にとっては兄という意識はなかったし、恐らく兄の信孝にしたって弟という意識は薄いだろう。便宜と戸籍上兄という名称が与えられているけれど、世間一般の…

真夜中のコーラス

試験勉強中の姉の横で船を漕いでいたら、「あんたはもう寝なよ」と言われた。秀人は首を振り、寝てないよ! と叫ぶが無意味だった。留美は苦笑しながら、付き合うことないんだよ、と言うだけだ。 「…だってねーちゃん、俺いたら寝ないでしょ?」 バイト三昧…

サムライハイスクール

文化祭で演劇をやることになった。どこをどうなってそうなったのかは定かではないが、なぜか時代ものをやることになった。江戸ブームだとか時代劇が流行っていたとか理由は色々あるだろうが、剣道部が多かったのと和服持ちがいたからというのも理由の一端だ…

ほんとはね、

過去の話はしない。という決め事があったわけではないけれど、言う必要もなかったから特別そんな話をしたことはなかった。というより、みんな漠然と知っていたから、という方が正しいのかもしれない。千と日出と大治は農民だし、悟は商家の息子で、史は旅回…

光って消える、ただそれだけと知りながら

最後の花火が終わってから、隣で一緒に眺めていた秀人を見ればきらきらと顔を輝かせていた。視線に気づいたのか千歳の方を向くと、にこーっと笑った。「終わっちゃったー!」 すごかったなッと言うとばしばし背中を叩く。木の上という不安定な体勢を全く気に…

100年後の話だってしますよ

「秀人合流したって」 通話を終えた千歳が言うと、栄介が「これで心配はなくなったねえ」と続けた。他の二人が真顔でうなずくのを見ながら、千歳は苦笑いをした。本当にあいつ信用ねーなぁ。まあ、仕方ないか。「よしよし。じゃあ、秀人がこっち来る前に、揚…

きいろい

人身事故に巻き込まれながらも振り替え輸送を使って、どうにか目的の駅まで辿り着いた。史哉は大きく息を吐きながら、混雑した人混みをどうにかすり抜けて改札機を通った。仕方ないけれど酷い目にあった。ちらり、と後ろへ目をやれば小さな頭がひょこひょこ…

君待ち

集合時間よりも十分ほど早く着いたがすでに先客が居て、亜伊は心の中で舌をまいた。さすがというか何というか。駅のコンコースにある太い柱を背にして、もたれかかることなく直立不動で立ったまま遠くを見ている横顔に、軽い調子で声をかけた。「早いな、悟…