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Note No.6

小説置場

せんせい、あのね。

あなたも教師なのですか? ああ、すみません。先ほど「先生またねー」と言われている所を目撃したものですからそうなのかと。 小学校の教諭をしてらっしゃる? なるほど、言われてみるとこれほど納得出来る職業はありませんね。あなたにはきっとぴったりでし…

まばゆしければ

ガードレールに腰かけたままで夜空を見上げた千歳は目を細めた。ビルの合間から、真っ黒な夜にぽっかり開いた穴のような満月が出ている。ちかちかと光る電飾や、ネオンの看板に比べれば控え目な光であると思った。だけれど眩しくて、千歳は目を細める。「次…

遠し日

(田崎栄介と榮信の話) 寺が焼けるのは早かった。炎の照り返しで顔面が熱い。夜空にちらちらと舞う火の粉を眺めながら、今夜は月が綺麗だなと思った。 両親と、兄の遺体は炎に焼き尽くされて炭になってしまったらしい。遺骨は戻ってこなかったが、戻ってき…

くるくるり

ざわめく駅の構内を歩きながら、のんびりと周りを見渡した。改札を出た所にある竹姫の壁画は抽象的ではあるものの、何が描いてあるのかははっきりとわかる。何だか綺麗に脚色されてはいるけれど、少なくとも300年前はそんなものではなかった。 月の夜、障子…

「遠い日のうた」

あらすじ 少年には前世の記憶がある。胡散臭いことだと理解しているけれど、何よりも慕わしい記憶であることを疑ったことはなく、前世の記憶を大切に抱えていた。ある日、前世で口ずさんでいた歌を歌う人間と出会った。それをきっかけとして、次々と前世で関…