Note No.6

小説置場

Call my name

「何馬鹿面してんだよ」
 高圧的なその言葉が誰のものかなんて、顔を見なくてもわかっている。
 今度の遠足スタンプラリーの班編成を行うという段になって、いつもなら率先してグループ作りを行う俺は、椅子に座ったままだった。予想通りというかなんというか、まず仲良しグループを作って、それから人数調整をしようとしている。俺は大体そういう時、自分から割り込んではいるんだけど―。今回は、突然後ろから声がかけられた。
 振り向けば、予想通り不機嫌そうな顔をした仁羽が立っていた。この顔はいつものことだから、別に特別不機嫌というわけではない。両脇に成島と遠山をへばりつかせながら、俺に向かって威張り腐った態度をしている。
「お前はこっちだっつってんだろ」
 有無を言わさずに手を引っ張られ、成島はのんきに「同じ班だね」と笑っている。遠山は静かに、「そういうわけなので連れて行きます…」とつぶやいている。ひとさらいか。
 周りのクラスメイトたちは、学校一の奇人連中の班に編入されていく俺に気づき、呆然と見送りかけていた。仁羽はいらいらした声で「四人一組だからな。絶対逃がさねえ」と据わった目つきをしていた。俺がいなかったら仁羽の怖がりはモロバレなので、必死さが違う。しかし、事情を知らないクラスメイトには何がなんだかわからないだろう。
 そういうわけで言葉を失っていたクラスメイトだけど、一人がようやく俺に声をかけた。その班で大丈夫か、というから。考えるより早く、俺は答えている。
 当たり前のように班に誘いに来てくれて、一緒に行くのが当たり前だ言ってくれた人だから。言うべきことは決まっている。
「全然問題ない!」