Note No.6

小説置場

「かごめかごめ」

あらすじ

神憑きが生まれる街、真封市。他との関わりを極力閉ざし、外へ出る人間を少なくするため、恐ろしいほど諸々の設備が整っている。
神憑きたちは強大な力を持ち、政治の中枢にまで影響を及ぼすことが出来る。しかし、力はあまりに強く他者を傷つけ、神憑き自身も市の外へ出ることは出来ないという制約を課されていた。彼らは一つの家に身を寄せ合い、政府に守られて生活している。

登場人物

相馬朱音(あいま・あかね) 
 神経質で人見知り。人との関わりを極力避ける。宿す力が強大すぎるため、朱音が生まれる際、母親や病院関係者などその場にいた(朱音と相対した)人間は全員即死し、分娩室の外にいた父親や病院関係者、入院患者なども死亡するという事件があった。
 それゆえ自分に罪悪感を抱きながら生きてきた。他者と関われば自分の力で殺してしまうのではないかという恐れから、関わりを持つことを拒絶する。
 精神的に脆く、弱く、傷つきやすく、どこまでも悲観的でマイナス思考。

松井泉理(まつい・せんり)
 穏やかでやわらかな空気を持っている。押しには弱い。一番マトモで常識があるので、四人のお世話係のようになっている。
 母親は精神を病んでいる(神憑きを産み落とした人間は多くが精神に変調を来す)が、両親ともに健在。父親が母親の世話をしている。母親は泉理を「化け物」として認識しており、視界に入ると錯乱するため別々の家で暮らしている。
 両親だけの世界は安定しており、幸福な情景だと感じていること、幼い頃に捨てられかけたことから「置いて行かれる」恐怖をずっと持ち続けている。父親も泉理を憐れんではいるが、愛しているわけではないことは理解している。
 学生時代、何もかもに疲れきった父親が妻と泉理を殺害しようとする。結果は未遂だったが、市が泉理を保護するため両親を海外へ。泉理は「置いて行かれた」と強く思うようになる。

向居美琴(むかい・みこと)
 年齢に比べて童顔。可愛らしい容姿をしている方なので舐められやすいが、頭は回るので大体痛い目を見る。
 神憑きを生んだ者は、死すか精神を病む。美琴の母親は死亡し、何より妻を愛していた父親はそれに耐えることが出来なかった。当初は、妻の忘れ形見だと美琴を育てていたものの、「この子供がいなければ」という思いが抑えきれなくなる。同時に、妻のいない世界で生きていく気力も失っていたことから、美琴と共に車で崖から転落。市は美琴を必死で助け、そのために手当の遅れた父親は死亡する。
 最期の父親の言動から「自分は殺されるために生まれたのだろうか」と思いながら生きてきた。基本的に明るく元気だが、自分が生まれたことは間違いだったのではないかと思っている。(最終的には色々吹っ切れて、間違いかもしれないけど、間違いじゃないと思いたい、と言えるようにはなる)

柔野奏緒(じゅうの・かなお)
 軽い青年を装っているが、裏表の使い分けに長けている。本心がつかみにくい。要領良く立ち回ることも得意。最年長者であり、何となくリーダーっぽい。
 母親は奔放な人間であり、父親のわからない子=奏緒を産んだ。望んだ妊娠ではなかった上に神憑きという普通ではない子供であったことから、母親にとって奏緒は嫌悪と憎悪の対象であり、怨念すら抱いている。精神を病んでいるが、概ね奏緒に危害を加える方向で発露しているため、精神病院に隔離されている。
 飄々としていて捉えどころのない人物。必要とされることも愛されることもなかったし、家族というものを形すら知らなかったため、四人と一緒に暮らす疑似家族的関係を興味深いと思っている。

坂江侘救(さかえ・たすく)
 スーパーポジティブでプラス思考、チャレンジング精神に溢れて好戦的な人物。フェミニストであるため、それなりに女性にモテるし、気障な言動もお手の物。
 母親は自殺した。神憑きを生む前から精神的に弱い人間であった上、神憑きを生んだことが決定打になり、何度も自殺未遂を行うようになる。(父親も不明であるため、その辺りの経緯も母親の自殺の理由の一つかもしれないと推察される)
 母親の自殺を止められるのは自分だけであると考え、幼い頃から何度も自殺を止めてきた。市の保護も頑として聞き入れず、母親と二人で暮らしていた。しかし、その甲斐も虚しく、母親は侘救の目の前で喉を掻き切って自殺を遂げる。
 侘救はいつも、誰かを守って生きている。昔は母親を、今は朱音を。それこそが自分の存在意義だと思っているため、精神的な揺らぎは少ない。
(憑依した神の資質として、朱音を守る役割を負うのが侘救であることから、市も朱音を守るよう言い聞かせてきた経緯もある)

習作

トランキライザー