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Note No.6

小説置場

「まひるのほし」

長編―登場人物

あらすじ

世界に愛想を尽かした少年は、ある夜日の光を浴びられない青年に出会う。その人は、真夏の太陽が照りつける中で殺されかけたことがあり、それ以来光の下に出ることが出来なくなったという。
青年はあれほど焦がれた世界に生きているのに、それを拒絶する少年が憎くて、恨めしくて、それでも、どこかで愛おしい。だから青年は持ちかける。母親の殺害のように見せかけて、自分を殺すことを。しかし、少年は最後の最後で結論を出す。――殺せない、と。
その言葉に激昂する青年に、少年は言った。「死にたいのなら自分で死ね」「だけどその前に、夜明けを待ってくれ」
二人で夜明けを待ちながら、少年はつぶやく。「希望なんてその辺に転がってるものじゃない。自分で探さなくちゃ、見つからない」「目を凝らせよ」「見えなくても、それでも」

登場人物

冠崎悠一(かんざき・ゆういち)
矢波汝緒(やなみ・なお)

習作・散文

Hymns

 

ある日突然、笑えなくなった。
多分、糸が切れてしまったんだろう。
ずっとずっと、嘘の笑顔を続けてきたから。
本当の笑い方なんて、忘れてしまった。
(悠一)

ある日突然、笑うことしか出来なくなった。
多分、箍が外れてしまったんだろう。
ずっとずっと、嘘の笑顔を続けてきたから。
笑顔の仮面が取れなくなった。
(汝緒)


俺は、世界と背を向け合っているような気がするんだ。
どちらが背を向けはじめたのかはわからないけど。でも、俺と世界は背中合わせだ。
それなら、僕とは向かいあってるのかな。
だって僕は、いつでも世界を見つめている。
決してふりかえってくれない、世界の背中を見つめている。

本当は、よるはとてもやさしいのだとぼくは思う。
くらやみは、とてもあたたかい。
すべてを覆うやみの世界なら、ぼくは表情をとりつくろわなくて済む。むりに笑う必要はない。
ぼくはぼくのままでいられる。

この闇に彩られた世界は、とてもやさしい。


明けない夜はないなんて、一体誰が言ったのだろう。
明けなくていい夜もある。来なくてもいい朝もある。
光なんて要らない。すべては夜に紛れてしまえばいい。